2025年12月10日
株式会社HARITA
映像データによる機械学習を利用した危険物検知AIシステムの共同開発を開始
~トライアロー株式会社と廃棄物処理現場の安全性向上に向けて連携~
株式会社HARITA(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:張田 真 以下、当社)は、技術系アウトソーシングや産業設備のデジタルソリューションを提供するトライアロー株式会社(本社:東京都港区、以下、トライアロー社)と共同で、廃棄物処理工程における危険物の自動検知システムの開発に着手いたしました。
本プロジェクトは、廃棄物処理の現場において爆発や機器の損傷リスクのある危険物を自動で検知することでリスクを低減し、作業者の安全性と作業効率の向上を目的としています。第一フェーズでは、ヤードに運ばれた廃棄物、およびコンベアで搬送中の廃棄物から、爆発や破損の原因となる「一斗缶」「携行缶」「ガスボンベ」「塊状物」などの危険物をAIにより検知する技術の検証を行います。
◆技術的な取り組み◆
●データセット構築と検証環境
産業廃棄物に特化したデータセットプラットフォームをトライアロー社で独自開発し、当社の提供した画像・動画をもとに危険物検知精度の評価を可能とします。
●AI画像認識モデルの開発
トライアロー社が開発するAIモデルは、代表的な物体検出アルゴリズムをベースに、危険物の形状・色・質感などの特徴を学習。粉塵環境や複雑な背景下でも高精度な検知を可能にいたします。
◆社会的背景と今後の展望◆
廃棄物処理業界では慢性的な人手不足と従業員の安全確保が長年にわたり大きな課題となってきました。特に危険物の除去作業は目視に依存しているため、作業者に高い負担がかかり処理ライン停止の原因にもなっています。AIによる自動検知技術を導入することで、作業者の安全性を確保しつつ処理効率の向上とライン停止の最小化が期待できます。
一方で近年は地震・台風・土砂崩れなどの自然災害が多発し、一度に大量の廃棄物が発生するケースが増加しています。災害廃棄物が適切に処理されないまま放置されると環境汚染や火災といった二次被害を引き起こす可能性が高まります。そのため迅速かつ安全な廃棄物処理体制の構築は社会全体にとって重要な課題となっています。当社は本サービスがこうした災害時のリスク低減にも貢献できると考えています。
また、さまざまな製品にリチウムイオン電池が使用される中、分別が不十分なまま廃棄施設へ持ち込まれるケースも増加しています。リチウムイオン電池は発火リスクが高く消火も困難であるため、廃棄物処理現場における重大な危険要因となっています。今後はリチウムイオン電池の自動検知にも対応できるよう技術開発を進めてまいります。
当社は持続可能な資源循環社会の実現を目指し、現場での安全確保と処理品質の向上に取り組んできました。深刻化する人手不足に対応しながら社会的要請に応えていくため、今後も本プロジェクトを推進し、より安全で効率的な廃棄物処理の実現に貢献してまいります。
◆本件に関するお問い合わせ◆
株式会社HARITA
担当:広報担当 室崎・卜部・西垣
TEL:0766‐64‐3516